ベルト裏面の「コードバン仕様」について

突然ですが皆様、ご自身が持つ腕時計の革ベルトの「裏面」、ちゃんとご覧になったことはありますか?おそらく、ほとんどの方が『NO』だと思います。私も自分でベルトを作るようになるまでは全く気にしたことがありませんでした。

しかし実は裏面の素材は非常に重要で、腕時計ベルトの「耐久性」や「着用感」を大きく左右します。特に「耐久性」については皆さんも経験があるかとは思いますが、夏場などにベルト裏面が汗をすって嫌な匂いを発してきて更にはヒビ割れて、「あぁそろそろ交換かな…」というケースは多いですよね。時計屋時代の経験から断言できますが、ベルト劣化は9割は裏面から発生します。


ですので、当店ではこの「裏面」にこだわりました。こだわってこだわって、いろいろな革や素材を試し、たどり着いた一つの答えが、「裏面コードバン仕様」です。(7/18現在、STUDS WATCH STRAPシリーズにて実装)

当店で裏面に使用しているのは、新喜皮革社というタンナーが作る「顔料仕上げコードバン」という種類のものです。実は一言でコードバンといっても、オイル仕上げ、染料仕上げ、顔料仕上げの大きく分けても3種類があります。

オイル/染料仕上げはコードバンの繊維がむき出しの状態なので水気に弱く、濡れようものなら「水ぶくれ」を起こしてしまいます。このことからコードバンは「水に弱い」というイメージが持たれるようになりました(その代わりエイジングの雰囲気が素晴らしいです!)。
一方で顔料仕上げコードバンは表面を顔料でコーティングしている為、水や汚れが革の繊維に浸透することがなく非常に防水性や耐久性に優れます(コードバンなのに!)。その為、顔料仕上げのコードバンはベルトの裏面にぴったり。ご覧のように水も弾きます。

着用感も優れていて、写真の通り表面が非常になめらかでつややかなコードバンは、腕に触れた時の感触がとてもいいんです。ざらざら感が全くなく、むしろ心地いいくらい。

繊維が密に詰まった革である特性上、使い初めはやや硬さこそありますが、ご使用になるにつれて柔らかく馴染んでいきますのでご安心を。またご覧のように、コバ(断面)も美しく仕上がります。

コードバンは高級革に分類される革で実際のところ仕入れ価格も高いですので、それを目に見えない裏面に使用するのはもったいないというご意見もあるかとは思います。ただ、少しでも長くベルトをご愛用頂きたいという想いから、採算度外視でベルト裏面にコードバンを採用しております。是非その着用感を体験して頂ければ幸いです。


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