【STUDS(スタッズ)】シリーズについて

いつも当店のInstagramやオンラインストアをご覧いただきありがとうございます!フランジストラップの東海林です。

本日は、当店の看板モデル【STUDS】シリーズについて書かせていただきました!ベルト表面に緻密なスタッズワークが施されたこの腕時計ベルトは、革の選定からスタッズワークに至るまで、職人の技術やこだわりを詰め込んだ渾身の一品となっております。是非最後までお付き合いいただければ幸いです。

◆スタッズワークについて

まずはこのベルトの一番の特徴であるこのスタッズワーク。モチーフは「ARROW(矢)」と「FLOWER(花)」の2種類をご用意しています。いずれも「腕時計ベルト」という極めて狭いスペースの中でどうやってモチーフの世界観を表現できるのか、沢山の試行錯誤を重ねてデザインを作成しました。

アップルウォッチ用ベルト 【STUDS】 ブラック FLOWER アンティークブラス

G-SHOCK用ベルト 【STUDS】 ブラック FLOWER アンティークシルバー

腕時計用ベルト 【STUDS】 ブラック FLOWER アンティークシルバー

1つずつ手で打ち込んでいくスタッズワーク。アメリカのSTANDARD RIVET社の2爪式スタッズ(USA製)を採用しており、接着ではなく爪を折って内部固定するタイプのスタッズなので経年で外れたりすることがなく安心です。また後述しますが、この裏面の爪は露出しないよう仕立てるので見栄えや装着感もいうことなしです。


◆ホースバット(馬革)について

表面に使用する「ホースバット」は馬のお尻部分の革です。一般的に馬革は牛革と比べ「しなやかさ」や「柔軟性」に長けエイジングも素晴らしいのでレザージャケット等にもよく使用されますが、繊維質が粗いため耐久性がやや弱い傾向にあります。
一方で「ホースバット」は、馬革の中でも繊維密度の高い臀部(お尻部分)を、植物タンニン鞣しでじっくりと時間をかけて作られた革なので、馬革らしい柔らかさだけでなく適度なコシも兼ね備えており、柔軟性とタフネスが同時に求められる当店の時計ベルトにぴったりな革であるといえます。

なかでもブラックは、茶色で下地染色をした後に表面のみを黒の顔料で着色したいわゆる「茶芯レザー」なので、ご使用になるにつれてよく擦れる部分の黒が剥げて芯の茶色が露出していくエイジングも楽しんでいただけます。茶芯レザーといえば、レッドウイングやレザージャケットでもお馴染みの革ですので、そういったアイテム達とも相性がよさそうですね。

約1年半使用。剣先やループなどの擦れる部分に茶芯が現れています。

◆裏面にツェルマットを使用

次に裏面の革ですが、腕時計ベルトの裏面は製品の「着用感」と「耐久性」を左右する部分ですので、非常に重要であると考えています。様々な素材をテスト・検討した結果、当店では全品番でフランス産の「ツェルマット」という革を採用しています。

その特徴は、
■防水性→水をはじくため、汗や雨でベルトが傷みにくい。
■柔らかく、きめ細かな肌触り→フィット感や肌あたりが良く、長時間の着用でも疲れない!
■耐アレルギー性→革に対してアレルギーのある方でも安心!(※体質には個人差がございます)

このように、「耐久性」と「着用感」をしっかりと兼ね備えた、ベルト裏面に相応しい革であると言えます。余談ですが、このツェルマットはエルメスでもライニング用レザーとして度々採用されており、エルメス×アップルウォッチの純正ベルトの裏面もこの革です。
(注)防水性が高い革ですが、湿気は革の敵なので外したらしっかり拭いてあげてください。

またよく「ベルトが完成したあとにスタッズ打ち込んでるんでしょ」と思われがちですが、実際にはベルトを作っている過程でスタッズを打ち込みます。そのため、ベルト裏面はご覧のように、スタッズの爪は勿論のこと縫い糸も露出していません。こうすることで時計着用時にスタッズの爪や糸が肌に当たらないので着用感が損なわれず、糸が汗を吸って革内部に入り込み革の劣化を早めることも防ぎます。既製品のベルトにスタッズなどを打ち込んで作る模倣品もあるようですが、仕上がりも着用感も全くの別物ですのでご注意ください。

◆立体成型

通常市販されている腕時計ベルトは、地面に対して平行のまっすぐなものが一般的ですが、当店のベルトは波状に仕立てた「立体成型」で作られています。ベルトの各部位によって厚みに違いを持たせつつ、手首の形状に沿うようにカーブをつけながら仕立てることで、着けた瞬間から心地よい装着感を味わっていただけるのと、曲げ伸ばしの繰り返しによる革への負担を軽減することで、ベルトが長持ちする効果も。

◆コバ仕上げ

コバとは革製品の断面(側面)部分のことで、コバの出来が製品のクオリティを左右するといっても過言ではありません。
このコバの仕上げ方で最もポピュラーなのは顔料でコバを覆う「顔料仕上げ」ですが、当店で採用しているのは「染料+ワックス仕上げ」という方法。前者は顔料をコバに乗せて着色するため発色に長けるものの、経年による「割れ」や「剥がれ」などの劣化が十中八九起こります。一方後者はコバ表面に染料を浸透させ着色を行うので上記のような劣化は起こらず、さらには熱ゴテでワックスを革表面に溶かし入れてコバを硬く締めますので耐久性も抜群。作業工程が多く時間も要しますが、出来上がりは革の断面とは思えないほど堅牢かつ滑らかです。

以上、当店の看板モデル【STUDS】シリーズについてご紹介させていただきましたがいかがでしょうか。気になったという方は、是非商品をチェックしてみて下さい。是非ご注文、お問い合わせをお待ちしております!